【カプチーノ エアコン冷えない】R134a化でも冷えない原因と修理対策まとめ|EA11R事例
カプチーノのエアコンが冷えない──
夏場にこれほどつらいことはありません。EA11R型をR134a仕様にレトロフィットしたものの、症状が改善されなかった実例を元に、整備記録と対策をまとめました。
今回は主に原因と交換に必要なパーツを選定して備忘録的に記載していきます。
カプチーノのエアコンが冷えないときの主な症状
- 低圧が4.5kpaと高め、高圧も10kpa前後までしか上がらない
- 時間が経つと冷却性能が落ちていく
- 冷えていても18度程度と生ぬるい
- エンジン回転を上げるとそこそこ冷える
交換・整備履歴
- エキスパンションバルブ:古いジムニーR12用を流用
- コンプレッサー:中華新品(ワゴンR用)
- エバポレーターと配管の洗浄:
使用した溶剤と効果順:
・1位:ガソリン(最も落ちる)
・2位:灯油
・3位:キャブクリーナー
※エアコンスラッジは水や油、加熱では落ちず、溶剤が最も有効でした。
※配管とコンデンサーは未交換のままです。
交換後の挙動と新たな不具合
- 低圧は正常化、高圧も若干上昇したが冷えは最大18度
- 時間経過で再び冷えなくなる
- コンデンサーに水をかけると劇的に冷える
- エバポレーターからガス漏れが発生
- 風量が少なめ(エバポケースがしっかり嵌っていない可能性)
- ファン・ガス量・エアコンアンプに異常なし
カプチーノのエアコンが冷えない原因と分析
① コンデンサーの放熱能力不足(過熱気味)
R12設計のコンデンサーでR134aを使用すると、冷媒特性の違いにより熱交換効率が落ちます。
- 高圧が上がらない → 液化不足の証拠
- 水をかけると冷える → 放熱不足が明白
- 回転を上げると効く → 走行風+コンプレッサー回転依存
② エキスパンションバルブがR12用で開きすぎ
ジムニー用R12エキパンは、R134aでは制御が合わず流量過多になることも。
- 流量多すぎ → 蒸発しきらず高圧上昇、冷えが悪い
- 流量不足でも冷えない → 開弁特性のズレ
レトロフィットで調べていると同様の症状に悩まされている方がいました。
基本的には電装屋さんでもレトロフィットを行ったらエキスパンションバルブの開きを調整している可能性があります。
例に漏れず、私のエキスパンションバルブも未調整で取り付けしていますし。
③ コンデンサー未交換による冷却不足
R12用の流路は太く、R134aに最適化されていないため、放熱性能がそもそも足りない。
なぜ放熱不足だと高圧が上がらないのか?
高圧=冷媒がしっかり凝縮されている状態。放熱が追いついていないと、冷媒が液化できず圧力も上がりません。
特にアイドリング中は走行風がなく、コンデンサー温度が上昇して冷えが落ちます。回転を上げると冷えるのは、風量・流量が増すからです。
根本対策:R134a部品に総入れ替え
EA21R(R134a仕様)の部品に換装することに決定。R134a用ホースはナイロンコーティング、コンデンサーも高効率化されており、冷媒特性に対応しています。
加えて、新品部品が幾つか出るのも利点ですね。コンプレッサーなんてはどうでもいいのですが、コンデンサーやエキスパンションバルブが出ないのは非常に難儀ですし、適性がR134aガスとも合っていないのも要因です。
使用予定の部品(全てR134a対応)
- コンデンサー(新品)
- エキスパンションバルブ(新品)
- レシーバドライヤー(新品)
- 配管類(一部廃盤→中古、一部新品)
- エバポレーター(廃盤→中古)
- コンプレッサー(今回未交換・リビルト可)
補足:ディスチャージブロック問題
EA21Rのコンプレッサーにはホース角度を変える「ディスチャージブロック」が必要ですが、今回は中古のホースに付いていたため流用可能でした。最悪はアダプタを加工して自作も視野に入れていました。
今回の整備目標
- エバポケースをしっかり密着させる
- アイドリングで15度以下の冷風を確認
- 旧車カプチーノのエアコンが冷えない問題に終止符を打つ
まとめ
カプチーノ(EA11R)のエアコンが冷えない主な原因は、R12仕様の部品をR134aに流用していることによる性能差です。
単なるレトロフィットでは冷えない症状が再発するため、R134a対応部品への換装が最も現実的な対策だと思います。
次回はパーツの購入及び取り付けレビューができたらと考えています。