こんにちは。
こんな感じの記事を書いておりました。
今回はだいぶロングな記事になると思いますが、整備した内容の備忘録と余りにもZXR400の記事がネット上で浅すぎるため、誰かの役に立てばと思い、記述していきます。
また、同様に掛かった金額も記録していきます。購入時期は2024年5月から7月に掛けたものになります。
また、車体は某オークションにて18万程で購入した車両になります。説明ではエンジンオイル、ブレーキフルード前後を抜いた車両とのことで、要メンテナンス車両、ということでした。
一番最初にやったこと
一番最初にやったことはフロントブレーキです。
前述の通り、ブレーキフルードが抜かれているため積載に少々難があり早急に対処する必要がありました。
まずは通常通り、フルードを入れると一向にタッチが出ません。ということはどこかでエアが噛んでいることが想定出来ました。
ヤフーショッピングでTOKIKO 4pod用のOHキット等を調べました。が、この時点で15000円強。割りかしいい値段します。なんせ、8podあるのですから。
この時点で、中華キャリパーを想定致しました。しかしながら、中華キャリパーを装着する場合はbrembo用のキャリパーサポートが必須。
某オークションにてZZR1100用のキャリパーサポートを購入しました。値段は大凡3000円程度。
メーカーはおそらくACTIVE製です。
中華キャリパーは左右で12000円程しました。この時点で十分純正キャリパー並の費用がかかってしまいました。まあ別に構わないだろう、いずれbremboキャリパーを導入する際の布石となるだろう、とたかを括っておりました。
が、現実は甘くない。
同様にフルードで満たし、エア抜きを試みますが、ピストン部がシール漏れ。ギュギュっと情けない音がします。一応、簡易的なタッチは出ておりますので、取り敢えず当初の目的は達成したとして積載が可能となりました。
リア周りOH編
積載が可能となったので、知り合いのガレージへ運び込みました。なんせ、クレーンが有るため、前後のメンテナンスをするのが非常に楽だからです。
その前にリアタイヤを車検用のタイヤへ交換しました。リアタイヤは事故車スパーダの部品取りから頂きました。サイズは150/60-17。タイヤはROAD5。割りかし悪くないタイヤですね。
クレーンで吊って、リア周りを分解していきます。当然この際にホイールベアリングのチェックも行いますが、結構駄目そうな感じ。
リンクをバラし、サスペンションを取ろうとするとバネの抑え板が脱落。えぇ・・・こんなん人が死んでまうど。バラした際に気がついて良かった。
スイングアームをバラそうとしてもピボットが抜けない。これは記事を書きました。
ニードルベアリング等は交換し、結局スリーブは軸穴が精度を出せず、知り合いの旋盤屋に投げることとなりました。費用が安く販売出来そうであれば、販売する予定です。

リアサスは特段大傷みって感じではないものの、ZXR400Rの方のリアサスを入手しておりましたので、そちらを装着する流れとなりました。まだ、もう一本あるので抜けかけていたらそちらを利用するかもしれません。
フォークOH
リアをやれば次はフロントです。
リアを組み付けしたあと、フロント周りをバラします。パーツがあるうちに交換できるものは諸々交換してしまいます。

僕はサスペンション周りはキッチリ作動して貰わないと納得が行かない性分ですので。
購入したパーツは以下です。
パーツ名 | 品番 | 値段 |
ブッシュ/パイプ | 92028-1614 | \1,180 |
SKF フォークシール | KITB-41S | \4,300 |
倒立用フォークオイル | KHL15-10 | \1,937 |
ブッシュ/フォーク | 44065-1102 | \1,160 |
諸々買っておりませんが、後々トップキャップのOリングは買っておきなと怒られました。内圧が掛かるため密閉することが大事なようです(漏れてなければいいかなとか思っていました)。
倒立フォークは必要な工具がたくさんあります。
- 32mmソケット
- モンキー2本
- ロングの6mm?HEXソケット
- フォークカラーを抑えるSST
- 油面調整を行う注射器
等です。私は上記の道具で行いました。
ダンパーロッドプーラー?でしょうか。それは最悪なくてもなんとかなりました。タイラップを引っ掛けて持ち上げたからですね。ワイヤーロックを持っているのならそれも使えるとは思います。
フォークの油面は年式によっては様々です。
ZXR400HとZXR400Lではフォーク品番がそもそも違います。私が所有しているのはL2ですので、油面は85mm±8mmとなります。ダンパーロッドから噴水が目に見えていましたので93mmにて調整しました。
SKFフォークシールについてですが、謎のスペーサーが入っていました。これについても不明なものは不明で取り敢えずダストシールとオイルシールとの間に入れておきました。あとは元通り組み直すだけ。
確かに空組みした状態での動作は非常に軽いです。
こちらの動画を見て購入しましたが、正にこの通りの仕上がりとなりました。
個人の所感としてはレーシングユースであるならば、もしくは・・・って感じがします。なぜならば、ダンパーの効きを確かめるときに押し沈みさせましたが特段軽い!みたいなのはないですね。大凡OHした成果だと思います。値段も純正の4倍程ですから、費用対効果は悪いかもしれません。
ステムベアリングの打ち替え
さて、せっかくフォークをバラしていましたので、ついでにステムベアリングも打ち替えてしまいます。
純正装着ではテーパーベアリングを採用しておりますのでメンテナンス周期は通常のボールベアリングよりもシビアです。
パーツ名 | 品番 | 値段 |
トップベアリング | 92116-1072 | \3390 |
アンダーベアリング | 92116-1074 | \3,390 |
上下ベアリング共同じサイズですが、32907JR-2と32907JR-3と微妙に規格が違うそうです。JR-◯の規格の違いについて調べてみましたが、自分では見つけられず、結局J-TEKT様で売っている汎用の32907JR-2を2つ購入しました。
ぶっちゃけ駄目なら交換すれば良いので。どちらにせよメンテナンス周期は短いです。
打ち抜くときは切り欠きがありますので、それに合わせて長い棒を叩き込むと簡単に抜くことが出来ます。アルミフレームに対して温めはNGです。もし、温寒差で脱着するのであればベアリングを冷やすべきです。
切り欠きは丁度3/8のソケット差込部と同じ大きさですので、200mmか300mm程の長さのエクステンションバーがあれば簡単に抜けます。
打ち込むときは抜いたベアリングを当金にしてトンカン叩き込んで入れました。
組付けは基本的にはボールベアリングと同じ。ですが、テーパーベアリングの場合は予圧が非常に重要になりますので、なるべくステムには荷重を掛けないようにしたまま一度思い切り締めます。その後緩めてほんの少し締める程度です(N/mで言えば5N/m程です)。バイクを傾けたりした際に簡単にコトン、と落ちるくらいを個人的な目安としております。

中華キャリパーの修理
買って新品なのに修理ってなんだよ・・・
詳しい仕様についてはこちら。
要は旧型の鋳型を用いて制作しています。ダストシールレス仕様。公道では鬼ですね。
bremboからはピストンシール/ダストシールは単品では出ませんので、HONDAから注文。
品番は06452-MAK-003です。
ただし、シール漏れしている箇所が2箇所のみであるため、2つだけ購入しました。
また、タッチが出ない原因としてはマスターシリンダーの圧送不足の可能性も高いため、マスターシリンダーもこの際OHしてしまいます。
純正品を買うと比較的費用がかかりますので、NISSINマスターで14mmであれば、ということでDAYTONAより購入。
問題なく使用が可能でした。なんならピストンシールが既に装着されていて、純正よりも組み換えが非常に楽でした。
これらの手直しによってフロントはタッチが出るようになりました。が、レバーストロークは非常に大きいです。どうやらロールバック量が非常に多い様子。
私が好きなメカニックの方のブログではどちらが良いか判別しにくいのでお好みでどうぞ、的な感じです。要はレバーを離した際にピストンが戻る量が大きいと、また押し出すのにレバーを大きく握らないといけないですよね?といったような話ですね。
ロールバック量の制御は難しく、シールの弾性変形に依存していますので、単純な話滑りを良くする、だとかシールを追加して抵抗を増やす、といったような形で解決するようです。
具体的には、
CCIメタルラバーでピストン周りを潤滑する。
だとか、
機械加工でダストシール溝を掘る。
だとかなので、費用面から考えるにまずはメタルラバーから試してみようと思っています。ちなみに執筆中はまだ検証を行っていません。
リアブレーキも同様に
フロントがこんな調子なので、当然リアは腐っていると考えます。
対抗キャリパーですが、フロントと違いパーツ点数は少ないですし、流用やbremboなどは手間がかかり過ぎるので純正を修理することにしました。
購入したパーツは以下です。
パーツ名 | 品番 | 値段 |
ピストンシール | 43049-001 | \440 |
パッキンシール | 43049-1004 | \339 |
マスターピストンOHキット | 43020-1094 | \3,590 |
当然カスなので、ダストシールは再利用です。明らかに破れていたら新品を使いますがね。
当然マニュアルを見ながら作業してください。僕は持っているのに見ずに適当(適度)に組み上げしました。

これにて、タッチがしっかり出ており、またフロントと違いロールバック量は大きくなく、ペダルストロークは違和感のないようなタッチとなりました。
これを見るとやっぱ純正が一番なのかなあ、なんて思ったり。
地獄のキャブOH編
現在作業中の箇所です。
OHキットはチャイナから取り寄せしました。ぶっちゃけエンジンが掛かって吹け上がっていれば車検には問題ありませんからね。ツーリング、多少の走行にも問題はありません。あ、オーバーフローですか?聞いてません。
電動工具を使って、パパっとバラしてパパパっと組み上げ、同調を取ります。
うーん。同調が取れていない気がする。
なんせ、2番以外負圧が上がらない。どこかで2次エアーを吸っている疑惑が浮上します。
同調をなんやかんやで合わせようとするものの、とうとうエンジンまで掛からなくなってしまう始末。これはうざいこれは面倒くさい。
取り敢えずキャブを再度OHします。ついでに穴という穴も全て洗浄しきってしまいます。中国からスロットルバルブ用のゴムパッキンも購入したのでそれも全て交換します。中華大好きだよね、俺。
ジェット類もキャブクリーナー漬けにして再度保管。
インシュレーターにパーツクリーナーを吹いた際に回転が上下していた(かもしれない運転かもしれないが)疑惑があるので、インシュレーターを交換します。
これも同様、ZX-4からZXR400H、ZXR400Lまで全部品番が違うので各個体で調べてください。
私のでは品番は16065-1240となります。
また、キャブの細かいネジが固着しており頭を飛ばして取り外ししましたので新しいネジも発注。
細かい費用負担が掛かっており、18万って本当に18万なんだなあ、と思ってしまう整備記録簿です。
さて、取り敢えずやったことリストとしては上記で以上となります。
続きを行っていく次第で、また同様に書いていきますのでよろしくお願いいたします。
それでは、読了ありがとうございました。