こんにちは。
今回はCR80のクランクケースベアリングの抜き取りを行います。
NSR50と書いたのは、NSR50でも同じようなモノがあるからです。
今回写真は殆どありませんが、工程について書いていきます。
まずはどうなったか
まず抜き取った箇所はこの突起物があるところのベアリングです。
普通の内掛けタイプのベアリングプーラーでは突起物が邪魔で抜けません。
どうすればいいか。まずは熱を入れてみて内輪に引っ掛けて抜こうとしてみます。
ですが、CR80では圧入がキツく抜けません。というか、他のベアリングもまず圧入がキツかったので早々簡単には抜けません。
抜かなくていいのでは?
そういう訳には行きません。
CR80の場合、ここはメインシャフトの左側ベアリングなので普通に考えた場合にヘタっているとフリクションに大きく影響します。
じゃあケース交換すればいいじゃん、って思いますけども600円だかで買えるベアリングの為に数万円出せるか?というと出せないですよね。
というわけである程度観察した上で下記の工程にて抜き取りました。
工程1
まずは削ります。削る!?
そう、ベアリングの保持器を削ります。
そうすることで、ベアリングの球が自由に動くようになりますよね。全部の保持器を破壊して取ります。
やり方は単純。ひたすらリューターで削りまくります。ケースに当たらないように注意。
ベアリング外輪部分も内輪部分も非常に硬いので基本的に外に弾かれても平気、ベアリングの保持器はピンが打たれているのでそこを集中的に攻撃します。

構造を見てみれば保持器は両側で保持しています、これを完全に両側で固定するにはピンが必要なので球の間にピンが打たれています。
全部破壊して両側すべて引っ張り出します。詰まっても球が動かないので。少なくとも表側さえ破壊出来ていれば球はある程度動くと思います。
あとは器用に球を動かしながら両側の保持器を取り出します。
工程2
保持器をすべて破壊したら球を片側に寄せます。
もうこの辺はドライバーとハンマーでカンカンやるしかねえっすね。
保持器すべて破壊出来ていて端に寄せて、寄せた側の方から内輪を外に向けて勢いよく衝撃与えます。
内輪がズレて、球が取れていきます。そのまま内輪を取り出して完全に外側だけにします。
工程3
外側だけ残ったベアリング。どうすんだ?と思いますよね。
こうなったらあとは簡単です、径が合うように内掛けタイプのベアリングプーラーを掛けます。
あ、あんま奥までいれちゃダメですよ。突起に当たってしまいます。
とは言うものの、外輪は若干出っ張りがあるので上手いことやればそこに引っかかって奥まで入らないと思います。
あとは普通どおり抜くだけ。
使ったものはこちら。
抜いたベアリングの品番
径的には6001だと思います。自分は手持ちを持っていて、外す前にあてがって確認しました。
壊してからだったら分かんないですからね。
片側にはシールがあったので、正確には片側シール型かな?6001Uとなります。
ベアリングはこちら。
両側シール買ってきて片側をはずしたら良いと思います。そこに差異はない。
ぶっちゃけ
ここの突起物、意味があるかどうかってところですよね。
意味自体はあると思います。なんせ上側からオイル溜まりをシャフト内部へ送り込む形をしてますから。
とは言うものの、以前自分は突起物折って交換しています。丸1年そのままレースまで使いましたが、ミッションに問題はありませんでした。
まあ、レースで使用するので念には念を入れる方は多いと思います。じゃなきゃこんなところ交換したくなりませんしね。
まとめ
ということで、私はこんな形で取り外しました。
圧入はプレス機を使って入れていくと思います。
なお、作業や上記の内容については作業者自身で確認しながらやってください。当ブログでは一切の責任を負いませんので自己責任でお願い致します(というか、こんなん当たり前だよね)。
では、読了ありがとうございました。